プラシーボ

プラシーボ(Placebo)については偽薬と訳され、我々医療者は、民間療法や健康食品等でネガティブな印象を持つことが多いが、ラテン語ではI shall please(私は喜ばせる)に由来するそうだ。

プラセボ効果は、薬理作用のないものがもたらす効果で、いい場合(治療効果)と、悪い場合(ノセボ効果)の両面がある。

多くの病気は身体的要因と心理的な要因が絡み合って症状が形成されており、治療の上でプラセボ効果の様な心理的なアプローチも必要と思う。

ホスピスや在宅治療を行う先生方はそれをうまく利用されているのではないだろうか。

今年に入ってからのアベノミクス効果は、本来の経済競争力に根差した経済成長ではないところはプラシーボであるが、円安、株高、輸出産業等で見かけ上の効果は見られたが、その後株や円の乱高下、長期金利上昇等の副作用も見られている。

昔から名医と言われる先生は患者の期待によるプラセボ効果が上乗せされた治療成績を上げていたと思われる。

この国のリーダーも名医としてプラセボ効果も利用しながら本当の治療に繋げてほしいものである。

2009年10月01日