安全安心 

テレビで手袋をした惣菜や菓子の製作場面が顕著になったのは4、5年前からと思う。

食中毒事故がきっかけであろうが、同時に安心安全という言葉が使われるようになった。
この手袋を安心安全の象徴とする事が日本のメディアのレベルの低さを示している。

冷蔵庫のような食品工場を除けば、ゴム手袋での作業で中は蒸れて汗まみれ、そこで繁殖する細菌数は相当なもの。

だが青いゴム手は破れることを想定し、発見を容易にするための色である、破れたときの事態は想像するのも恐ろしい。

食品作業で手袋をしていれば安心安全というお約束で映像が流される、それはメディアが批判する原発の安全神話と同じではないか。

原発は止めても危険なままであり、災害、テロを想定した多重の安全対策が必要なはずである。

安全対策をなおざなりにして再稼動の是非のみを問うのは、手袋をしていれば安心安全とするのと同じである。

寿司屋がゴム手をするようになる前に、安全の本質が議論されるのを願う。

社会保障の問題も崩壊前に有効な対策がとられるよう、上医は国を医したいものである

2006年10月01日