信仰は医療より・インスタ映えは信仰より?

7月1日、愛媛県の石鎚山お山開きが始まり、石鎚山を御神体とする夏季大祭で全国各地から数多くの信者や登拝者で賑わいます。

開業前、松山赤十字病院に勤務していましたが、10日間の大祭期間中は赤十字から救護班が派遣されます。

同様に消防のレスキューや警察の救助班なども派遣されていますが、日々鍛えた体はさすがに立派です。当時我々は車で面河渓谷の国民宿舎に前乗りして宿泊しましたが、当然その夜は宴会です。

日頃話すことのない日赤支社の方との交流で災害時の備蓄装備なども教えてもらいました。

支社の方もレスキューと変わらない位の体格で、何百回と献血もされており、全国赤十字大会で皇后様から表彰を受けたということでした。

翌日は救護服に着替え成就社へ向かいます、ここに救護本部を置き、更に頂上近くの鎖場の下に救護所があります。

最初の年は救護所へ登りましたが、前日の酒が祟り、着いたところで、練習を兼ねた第一患者として点滴を受けることになりました。

本番が始まると、医療機関への搬送が必要な方も出てきます。ヘリを要請するか担架で搬送するかの判断で担架としましたが、これは担架の四方にロープをかけて4人で搬送します。

搬送はレスキューや警察の方が担当され、私はその後に伴走しましたが、彼らのご苦労には頭が下がり、昨日の酒を反省しました。

診療した医師によれば、患者さんは通院しながらも1年間過ごせたことのお礼に参拝され、救護され助かったのも石鎚山の御蔭とのことでした。つくづく信仰は医療より有難いものだと思いました。

それから30年近くたち、最近では趣向を凝らした御朱印や被写体を求めて女子が集まります。紫陽花の手水舎の写真を協会紙に投稿しましたが、これまで閑散としていた神社がスマホ片手の女子でいっぱいでした。
現在は信仰によるご利益よりインスタ映えのほうが有難い時代になったのでしょうか

2019年11月01日